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第1回目 〜学校法人会計基準の改正(平成25年4月22日)〜

平成25年4月22日に、文部科学省より学校法人会計基準の一部を改正する省令が公布され、平成27年度(知事所轄学校法人については平成28年度)以後の会計年度に係る会計処理及び計算書類の作成から適用されることとなりました。

今回の改正は、学校法人会計基準が昭和46年に制定されて以来の大幅な変更であり、実務上、相当の検討を要することが想定されます。今回のトピックとして、改正基準の主要改正点を解説させて頂きます。

1. 活動区分資金収支計算書の作成

近年の施設設備の高度化、資金調達や運用の多様化など、本業の事業活動以外の活動の増加や私立学校を取り巻く環境の変化に伴い、資金の流れをよりわかりやすく活動区分別に把握する要請が高まったことから、新たに「活動区分資金収支計算書」の作成が規定されました。

具体的には、法人の活動を以下の3つの活動区分に分けて、それぞれに収入と支出を認識します。

この計算書は一般事業会社におけるキャッシュフロー計算書と同じ概念のものと見られ、これにより現金預金の増減と一致した新たな視点での資金管理が出来るようになります。

なお、作成事務の煩雑性を勘案して知事所轄学校法人ではこの活動区分資金収支計算書の作成は強制されていません。

2. 消費収支計算書から事業活動収支計算書への変更

消費収支計算書が事業活動収支計算書へ名称変更がなされました。これに伴い、従来の消費収支計算書で現在の学校法人経営上問題がある部分を刷新し、より実情に沿う計算書類へと移行されました。

・短期的収支均衡の表示

従来の消費収支計算書では、基本金への組入額の多寡により短期的な収支のバランスが大きく影響を受け、適切な短期収支管理ができませんでした。

このことから、学校法人の経営の状況をより的確に把握する観点より、長期的な収支均衡と毎年度の短期的な収支均衡の両方を表示するべく、基本金組入れ前の毎年度の収支についても表示されることになりました。

・経常的・臨時的収支バランスの区分

従来の消費収支計算書の収入及び支出は、人件費や経費等に充てることができる収入の全体を把握するため、総額で表記されていました。

しかし、近年の臨時あるいは教育研究事業外の収支が増加し複雑化している傾向を踏まえると、その状況をより的確に把握することが重要となってきました。

このことから、表示区分を刷新し、収支差額を“経常的なもの”と“臨時的なもの”(「特別収支の部」)とに区分するとともに、経常的な収支を“教育活動”(「教育活動収支の部」)と“教育活動外”(「教育活動外収支の部」)とに分けて表示されることになりました。

・消費支出準備金の廃止

「消費支出準備金」は、特定の会計年度の消費支出にあてるために留保する準備金であり、将来における消費収支の計画的な均衡を図るためのものです。この収支均衡維持の考え方はなくなるものでありませんが、多額の収入又は支出を計上した場合には、その内容が注記等により明確にされること、消費収支計算書を事業活動区分ごとに収支の状況を表示することとなること、実務上「消費支出準備金」を利用している法人が極めて少ないこと等、今回の改正で計算書類等の内容を一般にわかりやすく、かつ的確なものとすることとしていることから、「消費支出準備金」は廃止されることとなりました。

3. 貸借対照表の表示変更

現行の貸借対照表について、その構造は引き続き維持されるのですが、学校法人の財政状態をよりわかりやすく表示するという観点から、表示区分や科目について変更がなされることとなりました。

・特定資産の区分の設定

現行の貸借対照表の「固定資産」は、中科目として「有形固定資産」及び「その他の固定資産」の2つに分類されていますが、「その他の固定資産」は、「その他」にひとくくりにするには固定資産全体に占める割合が大きいために、資産の構成内容の把握がしにくくなっています。一方で、その多くを引当特定資産が占めることから、区分を設けることによりわかりやすくなると考え、新たに中科目として「特定資産」が設けられることとなりました。

・純資産の部の設定

現行の貸借対照表の調達源泉側は、「負債の部」、「基本金の部」、「消費収支差額の部」の3つに分けられていますが、調達源泉を明確にする観点から、大きく“外部資金”及び“自己資金”に分けて表示することが望ましいとされていました。このことから、“外部資金”については、借入金等の負債が外部から資金を調達したものであることから「負債の部」として表示する点は変更ありません。一方“自己資金”については、他の会計基準における一般的な表現である「純資産の部」として表示するとともに、明解性の観点からその内訳について、従来どおり長期的な収支均衡を表すものとしての基本金と基本金組入後の収支差額を明らかにするため、「基本金」と「繰越収支差額」に分けて表示されることとなりました。

上記は改正点の主要な部分ではありますが、実務上の変更、対応が必要とされる論点は他にも存在いたします。弊社では会計基準の改正にも迅速に対応しており、最新の情報に基づいたサポートを行っております。

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